2019年7月15日月曜日

翠嵐野球部2019観戦記


全国高校野球選手権神奈川大会2回戦at大和球場 2019714日。
翠嵐85卒のエースM永くんと、翠嵐vs瀬谷西を見てきました。初戦コールド勝ちの勢いは続かず、0-8で逆に7回コールドで敗退。ややマニアックな観戦記です。

8 件のコメント:

  1. 観戦記(1)2019年7月15日 20:50

    辻堂駅で待ち合わせて、M永くんと車で大和球場へ向かいました。
    2回戦の相手は瀬谷西です。M永くんは「負ける相手ではないと思うけどな」と、楽観しています。「オレたちの頃は、公立にはまあ大体勝てると思ってた」とも豪語。確かにわれらの代は春の大会ベスト16で、夏はシードまで取っていました。
    ただ、瀬谷は少年野球のホットポイントです。瀬谷ボーイズと言えば日本中に知られた強豪で、甲子園球児を量産しています。「そのレベルは甲子園常連校に行くから、瀬谷西には行かないと思うよ」とM永くん。
    かく言うM永くんも瀬谷中出身で、翠嵐には学区外入学です。「オレは野球やりたくて翠嵐選んだんだ。4期先輩は愛甲のいた横浜高校に勝ったことがあるくらい、強かったから」と15の春を振り返ります。「厚木に行くか翠嵐に行くかで、翠嵐にした。厚木のメリットは電車が空いてることくらい。横浜の方がいろいろ遊べそうだったし」。不純な動機もあったようです。野球の強い進学校には湘南高校もありますが、「学区外で入るには頭が足りなかった」ということでした。

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  2. 観戦記(2)2019年7月17日 7:18

    車は小田急江ノ島線に沿って北上。M永くんは「この辺、オレは土地勘があるから」と言いながら、話に夢中になっているうちに、川沿いの怪しげな道に踏み込んでしまいました。「やばいな」とカーナビをいじくりながら、何とか大和市の桜丘駅前に出て、大和球場の照明が見えました。15時30分の試合開始には、間に合いそうです。
    カーナビに引地台中学が現れると、M永くんが思い出を語りました。「この中学に苦い思い出があってさ。中学のとき、ここで試合して、2塁に滑り込んで足を捻挫して、その後の選手生命にかかわるけがをしちゃったんだ」というのです。今でも足首の可動域が小さいといいます。
    第1試合は、シードの麻溝台が横須賀総合高校に敗戦。無料駐車場は10分ほど待ちましたが、うまく第1試合の入れ替えに乗じて入れました。有料Pだと高いのでラッキーでした。
    交通整理をしていたのは、大和高校野球部。「こういうのは人数の多い野球部がやらされるんだ。翠嵐は少ないからやったことない。横浜スタジアムはY校がやってた。人数100人くらいいたからな」とM永くんが説明しました。「当時のY校の強みは、商業高校だから学区がなくて全県から選手が来てたことなんだ。いまは学区がなくなって条件同じになったけどね」。なるほどねえ。

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  3. 観戦記(3)2019年7月17日 22:59

    高校野球県予選の観戦は全国一律500円です。大和球場名物、ドカベンの山田太郎像が立つゲートから3塁側スタンドに入ると、まだ試合前のシートノックでした。
    M永くんは翠嵐野球部のOB会で、現役選手たちに、「勉強なんかいいから、野球に専念しろ」と言い渡して来たそうです。その甲斐あって、初戦は12-1のコールド勝ちを収めて、ベスト128にコマを進めました。
    翠嵐野球部のOBが固まって見ている席があって、M永くんはまずそちらにご挨拶。「オレもまだ若い方なんだよ」と言っておりました。52歳で下っ端とは。人生百年時代ですね。
    3塁ベンチ近くの観客席に腰を下ろしました。野球部保護者らしいお母さんが、「翠嵐」と書いたうちわを配りに来てくれました。裏面には、学年別の選手名簿と校歌が載っています。ありがたい配慮です。「持って帰れるのかな」と言うと、「勝ったら次も使うんじゃない」とM永くん。それもそうです。
    幸い雨は降っていません。大和は人工芝にほとんどが覆われたグラウンドです。「濡れてると、人工芝は球が速く転がるんだよな」とM永くん。外野からワンバウンドでバックホーム返球するときに、通常はマウンドの左右でバウンドさせるとちょうどいいけど、濡れているときはもっと後ろでバウンドさせるとか、捕手目線で解説してくれました。
    瀬谷西のシートノックで、ボール回しを見ているとなかなか強そうです。監督の腕の見せ所のキャッチャーフライも美しく打ち上げました。

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  4. 観戦記(4)2019年7月18日 22:51

    翠嵐が守備について試合が始まります。先発は3年生の右投手。先頭は3ゴロでしたが、2人目に左中間を抜かれて2塁打となりました。「濡れてるから人工芝を転がる打球が速いんだよ」とM永解説。次の打者は2ゴロ。二死3塁。抑えたいところで瀬谷西はエースの4番打者です。今度は左中間の頭を抜かれるタイムリー2塁打。「左打者の4番なんだから、守備位置をもっと右に寄せないと」とM永くんが顔をしかめます。さらに暴投と四球で二死1、3としますが、6番打者はセンターフライで討ち取りました。0-1。
    裏の翠嵐の攻撃は、瀬谷西のエースの見事な投球に封じられて三者凡退。すぐ終わりました。2回表の瀬谷西の攻撃。7番からの下位打線。先頭は2ゴロに討ち取りましたが、2人連続四球で一死1、2塁。先頭打者に戻って高~いキャッチャーへのファールフライ。これを危なっかしく捕りました。ボールが半分ミットから出ていました。胸をなでおろします。捕手が本業のM永くんは「キャッチャーフライって、ボールがスタンドに入りそうでも上空で戻ってくるから、それを読まないと」と、捕手に聞かせたいアドバイス。二死1、2塁で続く打者は遊ゴロ。しかしこれを弾いて送球が間に合わず、二死満塁となりました。ピンチで3番を迎えますが、3塁ゴロ。弾いたボールを拾い直して送球。何とか無得点で切り抜けました。すでに翠嵐エースはだいぶ球数を投げました。

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  5. 観戦記(5)2019年7月19日 23:37

    2回裏。翠嵐の攻撃は先頭が初ヒットで出ました。次の打者は四球。M永くんが「瀬谷西のピッチャーはセットポジションが苦手だね。走者を背負うと調子が狂う投手はよくいるんだよ」とほくそ笑みます。確かに、リズムが狂ったようです。無死1、2塁で翠嵐は2年生がバントを続けて失敗します。しかし、果敢にスリーバントを決めて、一死2、3塁を作りました。絶好のチャンスです。翠嵐スタンドは、ベイスターズの応援歌で盛り上がりました。打者は7番。ところがここで3塁走者がなんと牽制アウト。打者も3ゴロで無得点。チャンスを生かせませんでした。「ピンチしのいで、ヒットにスリーバントでこっちに流れが来てたのにねぇ」と、思わず天を仰ぎました。
    チャンスを生かせませんでしたが、3回表は翠嵐エースの快投で三者凡退。詰まらせた外野フライでヒットを許しませんでした。その裏。翠嵐の攻撃は中前安打で一人出ましたが、遊ゴロ併殺打で無得点に終わります。4回表も翠嵐エースは落ち着いた投球でまずは1塁フライ。下がりながらヒヤヒヤの捕球でした。M永野球教室。「フライは下がりながら捕っちゃダメ。しっかり下がっといて、前に出ながら捕るのが基本」。次は1塁ゴロで、前に出ながら捕ってベースを踏みます。M永野球教室。「このゴロは、前に出るとイレギュラーが危ないから、待って取るのが基本」。的確な助言ですが選手には届きません。
    さらに3ゴロでこの回も三者凡退で終わらせました。「翠嵐のエース、いいじゃん」とM永くんに聞くと、「いいね。流れがこっちにあるうちに点取りたいね」と言っていました。

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  6. 観戦記(6)2019年7月20日 17:34

    4回裏の翠嵐の攻撃。一死から2人目の打者が3ゴロ失策で出塁しました。続く4番打者はライトへライナー性の深い当たりでしたが、右翼手がいい位置にいて掴みました。気付くと、翠嵐1塁走者が2塁へ意表を突くタッチアップをしています。これは抜け目ないプレーだと思いきや、1塁からの離塁が早いと瀬谷西がアピールして、1塁にボール転送。これが認められてアウト。チャンスが一瞬にして潰えました。「もう、余計なことするなよ」とM永くんも頭を抱えました。
    5回表、瀬谷西の攻撃。先頭は3ゴロ。しかし初回に2塁打の2番打者にライト前を打たれます。すかさず、盗塁してきて一死2塁。M永解説。「キャッチャーがもっと引き付けてとらなきゃいけない。前で捕ると、2塁へのスローイングが遅くなる。投げる右肩を引き気味に、左足を少し前に出して構えるんだよ」。捕手への指導は熱が入りますが、翠嵐捕手には届けようがありません。そして、3番打者に浅い守備位置の左中間が頭を越されて3塁打を打たれました。0-2。瀬谷西スタンドは、はやりの応援歌「あげあげホイホイ」で踊りまくっています。4番打者にも左越2塁打を浴びて、0-3。しかし、ここから翠嵐エースが踏ん張って、2塁フライ(ヒヤヒヤキャッチ)と三振で終わらせました。

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  7. 観戦記(7)2019年7月21日 17:55

    5回裏。翠嵐の攻撃は先頭打者が左前安打。続く打者がバントで送ろうとしますが、なんとバントの打球を、走り出した自分が蹴とばしてしまってアウト。もったいないプレーです。次も中飛で二死1塁。しかし、四球とさらに左前安打で二死満塁のチャンスを作りました。翠嵐スタンドも、ベイスターズ応援歌で大盛り上がりです。3塁まで進んだのは2回目。しかし、1本が出ません。続く打者が中飛でチェンジ。ため息が翠嵐スタンドを包みます。
    ピンチの後にはチャンスあり。6回の表に瀬谷西はビッグイニングを作りました。この回から照明が入って、一死2塁から、4連続長打。続けざまに外野手の頭を越されます。「ピッチャーの球威も落ちてきてるんだから、深く守らないと。あんだけ続けて頭越されちゃだめだよな」とM永くんがぼやきました。5点を奪われ、一気に0-8に点差が開きました。「頭越されても、瀬谷西にはフェンス直撃がないよね。守備位置次第では捕れるのがあったよ」ということでした。
    この点差だと、7回で7点差のコールドがちらついてきます。
    6回裏、翠嵐は2本の単打で無死1、2塁を作りました。チャンスはさっきから作っています。しかし、またもここで遊ゴロ併殺打。3塁に走者を進めるも、見逃し三振でチェンジ。ゼロ行進が続いてしまいました。

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  8. 観戦記(8)止2019年7月22日 23:05

    7回表。翠嵐は2年生のリリーフ投手を送ります。先頭打者四球。しかし、次打者を三振、さらに続く打者の強めの送りバントをつかむと大胆に2塁送球アウト、1塁に転送して見事なダブルプレーを取りました。来年に期待できる好投手とみました。
    さあ、7回裏。翠嵐は2点取らないとコールド負けです。7回まで来たので、スタンドで「美なりや翠嵐」の合唱ができました。誇らしい校歌です。先頭は2ゴロ。続いて1塁フライ。追い詰められました。ここで代打の選手がライト線に2塁打を放ちました。翠嵐も最後に「あげあげホイホイ」を踊ります。再び代打が送られます。そして、2ゴロ。ゲームセット。
    「うーん。実力差もあったけど、自滅だったな。走塁ミスでチャンスを潰し過ぎた。守備位置も、よく考えていれば捕れた球があった」と、M永くんが総括しました。
    それでも、進学重点校となって練習時間の制限が厳しくなる中、よく頑張りました。配られたうちわの選手名簿を見ると、1年生部員が17人という、翠嵐野球部にしては空前の規模で集まっています。鍛え合って、来年はベスト64の壁を突破してください。(丸山)

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